https://www.youtube.com/watch?v=nVlCGZn6Qog

ムーディーマン デトロイトの謎

Resident AdvisorがMoodymanについて解説している。デトロイトシーンにおける重要人物の一人。なんでもインタビューをほとんど受けないので、ほとんど映像が残ってないとのこと。

本人曰く自分を説明する簡単なものとして、ブラックスプロイテーションを挙げている。

また動画の最後では彼を偉大なアーティストに位置づけている理由として、そのミステリアス性にあると結論づけている。

彼のインタビュー内での発言で印象的なものといえば、「みんなDJなんかに気を取られすぎだ」リスペクトしてるのは、デトロイトシーンに多大な影響を与えたというMojoというデトロイトのラジオDJらしい、ちなみに二人ともプリンスのファンのようだ。

https://www.residentadvisor.net/features/3124

Larry-Levan maestro

Maestro クラブカルチャーの礎

Boiler Roomで1970年代NYCでのダンスミュージックシーンの起源などについて当時の人々が語る、ドキュメンタリーMaestroが見れる。Amazonで日本語版買うと今中古で8000円位するので必見。現在も第一線で活躍するDJの若かりし頃の写真が出てきたり、Keith Haringが実は当時Paradaise Garageに来ていて踊っている映像が出てきたりする。アンダーグラウンドで起こったこの革命は、当時の人々の話を聞きそれを後世に伝えていくという方法でしか残らない、メディアは違えど、何世紀も前から続く文化の継承方法。

https://boilerroom.tv/recording/maestro

今では伝説的な箱PARADISE GARAGE / THE  LOFT/ THE GALLERY。これらのイベントは、完全口コミで広まり(当時インターネットなんてないので当たり前だが)完全招待制でパスを持っている人しか入ることが出来なかった為、入口の前には入りたくても入れない人々がたむろしていたらしい。また当初は、今よりも差別されていたゲイの人々の場であったが、不思議とフロアではゲイもノーマルも関係ない空間が広がっていたようだ。

当時の人々が、自分たちで工夫しながら、場を創り上げていく過程が面白く、今のクラブカルチャーの原型がこの時に既に出来あがっているのに驚く。サウンドエンジニア、照明、内観等、インタビューから当時のこだわり、大事にしていたものが伝わってくる。

基本的にはLarry Levanのトリビュートにもなっているのだが、そのLarry LevanもリスペクトしていたDavid Mancusoの偉大さについでも多く語られている。(『Life And Death On The New York Dance Floor, 1980-83』という本でDavid Mancusoについていろいろ書かれている )

またこのイベントの終焉はエイズによるオーナーの死という。Francois Kがインタビューで当時のエイズの蔓延について語っている。

尖ると排他的になりがちだが、お金持ちも、貧乏人も、ゲイも、ノーマルも年齢も音楽のジャンルも超えてすべてを受けいれてくれる、そんな場所だったに違いない。

 

https://youtu.be/8oea1npqFQ8

Matthew Herbert 音楽が観るものに変わった

この動画ではマシュー・ハーバートが自身のクリエイティブ・プロセスについて語っている。この人のDJをサマソニ深夜のHCANで体験した時は、本当に驚いた。様々な名義でいろいろな曲を発表しているが、DJプレイ時は、もっぱら躍らせることに特化していて、踊っているというよりも、踊らされている、宇宙を浮遊させられて4次元に突っ込み、最後には無といったような体験。だが何か、虚無感というか、悲しみというか、そんなものを感じ取ったのを鮮明に覚えている。

この動画で、まず最初にハーバートは自身のパーソナル・マニフェストを紹介している。これはいわゆるnot to do list、やることリストならぬ、やらないことリストだ。ちなみに、Youtube動画の設定ボタンから翻訳が見れるが、なぜか日本語がある(あるのは現時点で、英語、ドイツ語、そして日本語だけ)。Abltonのブログもなぜか日本語があり、熱心な代理店等があるのだろう。

以下は実際のマニフェストで、動画の中で詳しく説明されているが、自身がより発展していく音楽ツールの中で、オリジナリティを保つ為に作ったようだ。また、ツール自体には秘密はないので、それを使って何をするかが重要との事を伝えるメッセージでもあると言っている。私は皮肉屋なので、公開しても決して誰も作れないだろ?という挑戦状であるように感じる。(また後半で言及しているが、公開していない(するべきでない、する必要がない)、隠しマニフェストがあると言っている)

https://matthewherbert.com/about-contact/manifesto/

 

何をやるかと、何をやらないかを両方持つことが、動機づけとしは一番強い。なぜなら実際問題、選択しなければならないケースに出会う確率が高くなるからである。

信条、ドグマ、イデオロギーなんて言葉でもいいが、それらを明文化したパーソナル・マニフェストなんてものを、MOMAにまで展示されているようなアーティストが共有するのは非常に稀な気がする。勝手にアーティストの思想や哲学のオープンソースとでも呼ぼうか。

このような共有というか、発表していくプロセスに個人的に賛同する理由の一つは、目や耳が肥えていき、インプットの質がアウトプットの質を完全に超えてしまうと、アウトプットが出来なくなる人が多くなると思っているからである。プロセスでも些細なことでもいいので発表していくのが重要だと思っている、この文章だってそうだ。ハーバートもこの中で述べているが、自分のアウトプットが高まるプロセスを自分で発見、逆にアウトプットが出来なくなるプロセスを発見することも重要である。

さて他にもこのインタビューで気になったものが多くあるが、以下、簡易ではあるが紹介する。

・音楽をプロセスとして捉えている
・音楽が観るものになった
・生計を立てる必要性と芸術は明確に区別する必要があると思っている(マニフェストを棚上げする時もある)
・白人にはかなりの特権がある、そいうった特権に疑問を投げかけるのも責任の一部だと考えている
・音楽は今ではシャンプーみたいなものになってしまった、髪を何度も綺麗にする、それだけ
・芸術において、まず自問すべきものはこの作品の目的は何か?これにどういった効果を持たせたいのか?これは何を表現しているのか?それを表現するのに最適な素材は何か?
・なんらかの方法で世界を変える音楽に興味がある

今回のマシュー・ハーバートしかり、他のアーティストしかり、一般的にアーティストは右脳思考で論理的に説明下手なのではないかと思われているふしあるが、そんなことはない。突飛なものを作っているものほど実は非常に論理的で緻密な思考のベースの上で踊っている。

もともとこの動画を知ったきっかけはAbletonのサイトなので最下部にリンクを張っておく。

https://www.ableton.com/ja/blog/matthew-herbert-personal-manifesto/